ルーネベリタルトは、アーモンドとアーモンドオイルで風味付けされたシンプルで気取らないペストリーです。ペストリーはずっしりしていて、上にジャムとその周りを輪のように囲むアイシングがのっています。円柱形のタルトには伝統的にラムかアラックで風味がつけられていますが、そうでないものもあります。
民間伝承によると、Fredrika Runeberg(フレドリカ・ルーネベリ)、つまり、フィンランドの国民的詩人Johan Ludvig Runeberg(ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリ)の奥さんがこのタルトを最初に作ったと言われています。また、Lars Astenius(ラース・アステニウス)だという節もあります。ルーネベリ夫妻はアステニウスの顧客でした。いずれにせよ、このタルトのレシピはフレドリカのレシピブックに載っています。
伝統的に、ルーネベリタルトは、ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリの誕生日である2月5日ごろにフィンランドのお店やカフェに並びます。クリスマスシーズンが終わったすぐ後、1月の初めにルーネベリタルトを出し始めるカフェもあります。ルーネベリの地元のいくつかのカフェを除いて、この時期以外に、ルーネベリタルトを見つけることはほとんど無理と言っていいでしょう。
ルーネベリタルトの熱心なファンたちは、いろいろなお店のものを食べ比べます。伝統派は元来のレシピ通りに作られたタルトを好みますが、新しい発想を取り入れて作られたものを好む人たちもいます。最近の例としては、ミニサイズのものや『Rawbergs(ローベリ)』として知られているローケーキ版もあります。
シーズンになるとフィンランドのほとんどのカフェがルーネベリタルトを提供します。ルーネベリタルトはカフェだけでなくほとんどの食料品店で販売されます。