ヘルシンキで最高に美しい図書館

Art and culture in Helsinki
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ヘルシンキには約40の公共図書館と数々の学術図書館があります。文明の安息地といえる図書館は、建築や歴史好きにもオススメの場所です。ヘルシンキで最高に美しい5つの図書館をリストアップしました。

Finland takes libraries seriously, the love for reading reflects strongly in their culture. The Finns are ranked as some of the most literate people in the world, as well as some of the most prolific users of libraries. There is also a lot of historic significance that libraries hold amongst the Finns. Every library, whether new or old has a personality of its own and holds a significant position in the cultural scene in Helsinki. 

Keskustakirjasto Oodi ilmakuva
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Oodi

Oodiはヘルシンキの新しい中央図書館で、フィンランドの101回目の独立記念日の前日、2018年12月5日にオープンしました。国家から国民への誕生日プレゼントと言われる17,250平方メートルの図書館は、フィンランドの建築事務所が手がけたものです。

Oodi は、フィンランド国会議事堂の向かいに位置しており、行政と国民の関係を象徴しています。二つの建物はKiasma現代美術館、Helsingin Sanomat 新聞社のオフィス、 Musiikkitalo コンサート・ホールなどの芸術・文化施設に囲まれた市民広場を挟んで向かい合わせとなっています。

Oodiの設計は、国際公募に参加した544のエントリーから選ばれたものです。フィンランドのALA Architects の設計による図書館はヘルシンキの中心に最後に残った非常に広大な空き地に完成しました。

フィンランドのトウヒの厚板におおわれて舞い降りてきたような図書館の構造は、市民広場の公共空間を図書館の囲いのある公共空間まで広げようとするもので、ひさしがこの2つの空間の境をあいまいにし、バルコニーからは広場の向こうにある国会議事堂を見渡せるようになっています。

図書館内のスペースの3分の1に、蔵書は常時10万冊という比較的少ない数にもかかわらず、オンラインサービスと図書仕分けロボットを活用し、マウスをクリックするだけで約340万のアイテムが利用できるようになっていることから、Oodiはより大規模で分散した図書館システムの主要サービスポイントとなっています。

Man sitting on a chair between the grand columns of Helsinki Univversity library reading. Bookshelves cover the wall behind him
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フィンランド国立図書館

元老院広場とヘルシンキ大聖堂の隣には、ヘルシンキで一番重要な建物の一つがあり、建物の中には息をのむほど美しい科学の神殿があります。フィンランド国立図書館のメインビルディングはフィンランドで最も有名な19世紀初めの帝国建築の1つです。また当時は、ヨーロッパで最も重要な公共図書館の一つでした。

国立図書館は、フィンランド最大で最古の学術図書館で、ヘルシンキ大学の最大の独立機関の一つです。フィンランドの印刷された国家遺産やユニークなコレクションを収集、記述、保存していて、300万冊の蔵書があります。

図書館の建物はカール・ルドヴィク・エンゲルが設計し、1840年に完成したものです。エンゲルは古代世界に関連した古典的なテーマを独特に組み合わせました。壁の対称的なレイアウトは、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの浴場に由来していて、ファサードは古典的な神殿建築に従って配置されています。

フィンランド国立図書館は、20132015年の大規模な改修工事を経て、2016年の春に再オープンしました。  元々あった入口と読書室の木の床はかつての栄光を取り戻し、ロビーの天井壁画も復元されました。

図書館には300万冊の書籍と300万の他の出版物があり、本棚の長さを合計すると115 kmにもなります。また、非常にたくさんのデジタル化された資料も所有しています。

 

Rikhardinkatu library
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リクハルディンカトゥ(Rikhardinkatu)ライブラリー

リクハルディンカトゥにある図書館は1882年にオープンし、北欧で最初に公共図書館として設計されたものです。この図書館では、労働階級の人たちが学習する機会と文化的な場所を得た歴史を感じることができます。

ネオルネサンス建築の建物は、アテネウム美術館やホテル・カンプも設計したカール・テオドル・ホイエルの設計によるものです。建物は、ヘルシンキ婦人協会が集めた寄付金で建てられました。

リクハルディンカトゥライブラリーは、1986年までヘルシンキ市図書館のメインビルディングの役割を果たしました。現在でも活気ある図書館で、遠方からも多くの人が訪れ、建築や独特の雰囲気を楽しんでいます。こじんまりした雰囲気の読書コーナーや、明るい読書ホール、様々な作業スペースがあり、街の屋根の風景も楽しめます。

図書館にはもちろん、たくさんの本があります。フィンクションやノンフィクションに加え、400冊以上にものぼるアートの本もあります。ヘルシンキのアーティスト協会に所属するアーティストの絵画やプリント、彫刻、写真なども借りることができます。

カッリオ(Kallio)ライブラリー

Porthaninkatuの端に自慢げに立っている赤レンガの図書館は、カッリオ地区の真ん中にあります。1912年にオープンした時には、ヘルシンキのシティーライブラリーで貸し出された本の記録を更新しました。この図書館の本の読み聞かせの時間には、たくさんの子供たちがやってきて、いつもはとてもうるさい子どもも静かに話に聞き入りました。

Japanese

「すべての部屋が十分に明るく、とても快適だ。市の読書ホールよりも楽しくてこじんまりしている。カッリオとソルナイネンのすべての読書家たちがこの新しい啓蒙の場所を大いに利用して楽しむことを願う」
 

ヘルシンギンサノマット新聞 1912年10月1日

フィンランドで4番目に古い図書館の建物は、古典派の影響を多大に受けた後期ユーゲンド(アールヌーボー)建築です。建築家カール・ホード・アフ・セーゲルスタードは、アメリカの図書館からインスピレーションを得て、いわゆるバタフライモデルに従ってレイアウトをデザインしました。

図書館の中では、この地区ならではの雰囲気を感じることができるでしょう。本に加え、ウクレレやカンテレなどを含む楽器やフィンランドの昔ながらゲーム、モルックを含むゲームも借りられます。また、虹色の本棚にはLGBTQ関連の本、漫画、映画もあります。

The Helsinki University Main Library in Kaisa House
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カイサタロのヘルシンキ大学ライブラリー

ヘルシンキ大学のメインライブラリーもまた、フィンランド最大の学術図書館です。2012年にオープンしたカイサタロは、最新の図書館建築で図書館と建築に興味のある人の注目を集めています。

この図書館は国際的にも評価されています。純粋な美しさと魅力を機能性と組み合わせたデザインで、環境にうまく溶け込み、自然の光をすばらしい方法で利用した建物となりました。この図書館は2008年の建築コンペで選ばれたAnttinen Oiva Architectsが設計しました。

地上7階建ての図書館には、湾曲した大きな空間がありファヴィアンカトゥの入口から見上げることができます。図書館の中を見ながら7階まで行くと大きな居間のようなスペースがあって、素晴らしい歴史地区の眺めが楽しめます。図書館の内装は、イルマリ・タピオヴァーラウルヨ・クッカプロによる昔ながらのフィンランドデザインです。

図書館の中では建物と周囲の街の様子を楽しみながら、本を探したり、学生たちの様子を見たり、自分の作業を進めたりすることができます。一般の読書エリアには1000近いワークスペースがあり、静かな読書室やグループワークスペース、休憩場所もあります。ヴオリカトゥの入口から入った2階にはカフェもあります。

Stairway of Töölö library
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トーロ(Töölö)ライブラリー

トーロライブラリーは、1938年に自分のスタジオを構えるまではアルヴァ・アアルトトイヴォ・パーテラと仕事をしていた建築家アアルネ・エルヴィが設計しました。1970年に図書館がオープンした際には、ヘルシンキで初めての音楽セクションがありました。

混み合う図書館には、まもなく書棚の増設が必要になり、月日が経ち、建築のディテールが目立たなくなったり、まったく使われなくなりました。20142016年に大きな改装工事が行われ、音楽セクションの耳の形のベンチを含め本来のソリューションが復元されました。図書館のデザインには、このほかにも身体に関連するものがあり、階段を上りながら上を見上げれば、自分を見下ろしている目があることに気づくでしょう。

利用者の希望により、図書館は友達と会ってゆったりできる場所になりましたが、それにもまだ、ヘルシンキのすべての公共図書館の中で、最も静かな自習室があります。改装中に図書館のテラスと長いバルコニーが再度利用できるようになり、隣接するトペリウス公園もつながっています。

Japanese

緑の公園の中にあって明るく、遊び心あふれるディテールの創意に富んだ現代建築。他に何か希望するものがありますか?犬に本を読み聞かせてみたい?犬も借りられます!

ヘルシンキの図書館には読んだり、見たり、聴いたりできる非常にたくさんのセレクションがあります。無料のWiFi、各種情報、プリントサービスもあります。ほとんどの公共図書館では、英字新聞も含め、毎日の新聞も読めます。本に加え、テニスラケット、スケート、スキー、心拍数モニターも借りられます。IDカードと住所を提示すれば、住人でなくても一時的な図書館カードを発行してもらえます

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ヘルシンキには約40の公共図書館と数々の学術図書館があります。文明の安息地といえる図書館は、建築や歴史好きにもオススメの場所です。ヘルシンキで最高に美しい5つの図書館をリストアップしました。