ヘルシンキは、様々な好みとニーズに合ったアクセシブルな見どころと体験に出合える場所です。街がコンパクトで、短い滞在でもたくさんの場所を訪れることができますが、もっと長く滞在しても楽しめることはたくさんあります。街、海、自然の3つがそろって創り出されるやすらぎを楽しむのもヘルシンキでできる最高のことの一つです。車椅子を使っている私が特に気に入っているヘルシンキの見どころ10カ所をご紹介します。
スオメンリンナ海上要塞
街の中心からすぐの場所にあり、いくつかの島から成るスオメンリンナ海上要塞 は、ユネスコ世界遺産に登録されています。1700年代に建設された時には当然アクセシビリティは考慮されませんでしたが、人気の観光地は過去数年の間に少しずつアクセシブルになってきました。いまだに石畳の道がたくさんあり、難しい高低差のある場所もいくつかありますが、それでも行ってみることをおすすめします。マーケット広場からHSLの公共交通機関の一部であるフェリーに乗ってスオメンリンナまで行けます。手動または電動の車椅子(電動カートを含む)を使用している人は無料でこのフェリーを利用することができます。島には約15分で到着しますが、海から見るヘルシンキはなんとも素敵で、それ自体が楽しい体験です。島の道の中にはよりアクセシブルなものとそうでないものがあります。詳しい情報は、スオメンリンナのウェブサイトでご覧いただくか、埠頭のツーリストインフォメーションにおたずねください。アクセシブルなレストランやカフェ、トイレもスオメンリンナのあちこちにあります。スオメンリンナでは、島を巡りながら風景を楽しみ、時々ピクニックをしたりレストランで食事をするのが一番好きなことです。スオメンリンナは雪のないときが一番アクセシブルです。
Temppeliaukio Rock Church(テンッペリアウキオの岩の教会)
固い花こう岩をくりぬいて造られたテンッペリアウキオの岩の教会は、素晴らしい建築と音響でヘルシンキで一番人気の見どころの一つです。教会は完全にアクセシブルで、入口と教会の床は同じ高さです。アクセシブルなトイレもあります。この教会はヘルシンキ中央駅から約1.5kmの場所にあり、タクシーで正面ドアまで行けます。一番近いトラム停からはわずか100mですが、教会まではだいぶ急な坂になっています。
Kaivopuisto(カイヴォプイスト)の海岸線
カイヴォプイストは閑静な住宅街で人気の公園です。海岸線に沿って散歩道があり、海の美しい風景が楽しめます。夏のアクティビティとして私が好きなのは、カイヴォプイストの海岸線を公園の端から端まで、約3kmを車椅子で散歩することです。道は平坦で、上り下りはほんの少ししかありません。散歩道には素敵なカフェやテラスもあります。アクセシブルなトイレは、例えばCafé Ursula(カフェ・ウルスラ)とCafé Carusel(カフェ・カルーセル)にあります。カイヴォプイストの海岸線は、Hernesaari.(ヘルネサーリ)のクルーズターミナルからわずか2kmの場所にあるので、ヘルシンキを歩いて、車椅子で、あるいは電動カートで楽しみたいクルーズの乗客にもおすすめの場所です。Olympic(オリンピック)とMakasiini(マカシーニ)フェリーターミナルも公園からそれほど遠くはありません。
ヘルシンキ中央図書館 Oodi(オーディ)
ヘルシンキ最新の中央図書館は2018年に開館しました。本を借りることに興味がなくても訪れる価値のある場所です。Oodiには本があるだけでなく、カフェ、レストラン、アート、様々なワークスペースがあります。図書館の3フロアにそれぞれ特徴があり、建物全体が建築の傑作です。デザインがすべて階と階段で重要な役割を果たし、それは勾配にも当てはまります。建物の中にいくつかのアクセシブルトイレがあります。最上階では街と道の反対側の国会議事堂を見渡す美しい風景が楽しめます。
オールド・マーケットホール
マーケット広場の隣にあるオールド・マーケットホールは、いつでも楽しい場所です。屋内マーケットホールには1889年からの歴史があり、上質のチーズ、肉、野菜、スイーツなどのお店があります。座って食べられるカフェもいくつかあります。マーケットホールはアクセシブルで、アクセシブルなトイレもあります。石畳が車椅子や電動カートではちょっと難しいかもしれませんが、同時にマーケット広場も訪れることもできます。マーケット広場からは、ウスペンスキー大聖堂、大統領官邸、Allas Sea Pool(アッラス・シープール)も見えます。
Mall of Tripla(モール・オブ・トリプラ)
ヘルシンキには、完全にアクセシブルなショッピングモールがたくさんあり、とりわけ雨の日には最高です。モールの中には素晴らしいカフェやレストランもたくさんあり、幅広いサービスも利用できます。私が個人的に好きな場所はパシラのMall of Tripla(モール・オブ・トリプラ)です。北欧最大のショッピングセンターであるTriplaにはたくさんのお店とレストラン、シネマ、ミュージック・ミュージアム・フェイムなど様々な施設があります。中でもユニークなのが Surf House Helsinki(サーフ・ハウス・ヘルシンキ)で、1年中温度が27℃に保たれています。ビーチバーで飲み物を楽しみながら、波乗りをするサーファーたちを眺めるのも楽しいものです。Triplaはパシラ駅とつながっていて、街の中心から近郊列車で簡単にアクセスできます。
Lammassaari(ランマスサーリ)のアクセシブルな自然遊歩道
街を抜け出して、フィンランドの大自然の中に飛び込みましょう!Lammasaari(ランマスサーリ)には、2018年に新しいアクセシブルな自然遊歩道ができました。遊歩道は1kmで自然の真ん中を通り、アクセシブルなバードウォッチングデッキで終了します。遊歩道は環状にはなっていないので、行きと同じ場所を戻って来ることになりますが、素敵な場所は何度通ってもよいものです。隣接するLuonnon syli(ルオンノン・シュリ『自然の膝』)ウェルネス遊歩道もアクセシブルです。街の中心からはバスで約30分、タクシーで約20分です。
ヘルシンキ市立博物館
ヘルシンキ最古の区画の元老院広場の角にはヘルシンキ市立博物館があります。街の中心で観光をする際に立ち寄るのに便利な場所にあり、短時間でも、長時間でも楽しめます。完全にアクセシブルな博物館では、ヘルシンキの歴史や日常生活を展示していて、いつでも入場無料です。博物館はあらゆる年齢の人におすすめで、子供たちは、インタラクティブな子どもの街の展示が大好きです。車椅子や電動カートで博物館を見て回るのは簡単で、アクセシブルなトイレもあります。博物館の向かい側には印象的なヘルシンキ大聖堂もあります。ヘルシンキには完全にアクセシブルな博物館がほかにもたくさんあります。街の中心から半径1km以内にあるのは、例を挙げればAteneum(アテネウム)美術館、現代美術館Kiasma(キアズマ)、Amos Rex(アモス・レックス)、ヘルシンキ市立美術館 HAMなどです。
Linnanmäki(リンナンマキ遊園地)とSea Life Helsinki(シー・ライフ・ヘルシンキ)
伝説のリンナンマキ遊園地は、スリルを求めている人にとっても雰囲気を楽しみたいだけの人にとっても、とても楽しい場所です。入場は無料で、乗り物に乗らなくても中の様子を見に行ったり、レストランで食事をしたりすることができます。急な傾斜になっているところも多少ありますが、園内どこでも車椅子や電動カートでアクセスできます。遊園地は丘の上にあり、街を見下ろす素晴らしい風景を眺めることができます。ほとんどの乗り物に車椅子や電動カートから乗ることができ、車椅子や電動カートに乗ったまま乗れる乗り物もあります。補助が必要なことが確認できるEUのDisability Cardまたは同様の書類を持っていれば、補助者は無料のリストバンドをもらうことができます。
シー・ライフ・ヘルシンキは遊園地とつながっているので、車椅子や電動カートで海の世界にも簡単にアクセスできます。狭い場所や平坦でない場所もありますが、ここも適切な書類があれば補助者の入場は無料です。
アクセシブルなビーチ
ヘルシンキにはビーチ用の車椅子が用意された2つの泳げるビーチAurinkolahti(アウリンコラハティ)とHietaniemi(ヒエタニエミ)があります。どちらのビーチにも砂浜の上を容易に進むのに役立つモビマットが用意されています。ヘルシンキ東部にあるアウリンコラハティビーチには湾曲した美しいビーチがあり、本格的なホリデー気分が楽しめます!地元の人たちから『Hietsu(ヒエツ)』と呼ばれるヒエタニエミは、街の中心に近い場所にあってよく知られているビーチです。どちらのビーチでもライフガードからアクセシビリティ用具を借りることができます。
Teurastamo(テウラスタモ)
Teurastamo(テウラスタモ)は、以前食肉処理場だった場所ですが、今ではアーバンカルチャーとフードカルチャーの中心になっています。いくつかのレストランがあり、夏には中庭にテラスができて、様々なイベントも開催されます。中庭は誰でも利用できて、バーベキューをすることもできます。このエリアは平坦で、近くのカラサタマ駅まで地下鉄を利用して、アクセシブルに到着することができます。
アクセシブルなガイド付きツアーガイド付きツアー
Happy Guide Helsinki(ハッピー・ガイド・ヘルシンキ)では、ミニバスや公共交通機関を使ったアクセシブルなガイド付きツアーを提供しています。
Hop-On Hop-Offのバスのほとんどが、春から夏までアクセシブルです。1階に車椅子や電動カート用の場所があり、ドアにはスロープがあります。観光バスは、見どころから見どころへの移動手段としても、街の全体像を把握するにも便利です。