
フィンランドの暗い冬には、キャンドルの明かりがぬくもりを演出します。アメリカのようにファサードや庭にクリスマスライトを飾る習慣は1990年代に始まり、伝統的なフィンランドのクリスマスにさらに明るさが加わりました。近年ヘルシンキでは、地元の住民がアパートメントの建物全体の窓に入念に準備してクリスマスイルミネーションを設置するという新しい慣習が始まりました。巨大なアドベントカレンダーのイルミネーションをお見逃しなく!
クリスマスイルミネーションの中でも一番印象的なのは、Esplanade(エスプラナデ)、Aleksanterinkatu(アレクサンテリンカトゥ)、その2つの通りを結ぶすべての通りですが、Mikonkatu(ミコンカトゥ)、クルーヴィカトゥ(Kluuvikatu)、ソフィアンカトゥ(Sofiankatu)、カタリーナンカトゥ( Katariinankatu)のイルミネーションはとりわけ素敵です。

クリスマス・ストリートのオープニング
ヘルシンキのクリスマスシーズンは、ショッピングストリートのアレクサンテリンカトゥのクリスマスイルミネーションが点灯する11月の終わりに始まります。『Aleksi(アレクシ)』と地元の人たちが呼ぶ通りのクリスマスイルミネーションは、1949年に始まりました。オープニングイベントは、今でも地元の人にも旅行者にも人気のイベントです。フィンランドのラップランドからサンタクロースがやってきて、ヘルシンキ市長とともにイルミネーションを点灯します。街中で行われるクリスマスパレードを見ようと、何千人もの人たちが沿道に並びます。サンタクロースと妖精達を見たいと思ったら、早く行って場所を確保しましょう。

クリスマスマーケット
クリスマスショッピングなら、市内のあちこちで開催されるクリスマスマーケットやバザーが最高です。クリスマスマーケットはすでに11月にはオープンし始め、クリスマスイブまで営業しています。昔ながらのフィンランドのクリスマスプレゼントと言えば、手作りの毛糸の靴下や帽子、季節のジャムやお菓子、子供たちにはもちろんおもちゃなどです。
ヘルシンキ・クリスマスマーケット (Tuomaan Markkinat)は、クリスマスの雰囲気を楽しむのに最高の場所です。フードコーナーでは、街で有名なレストランや季節のごちそう、興味深いイベントなどが楽しめます。都会のたき火を囲んでおいしい食べ物を楽しみましょう。子供たちが無料で乗れる昔ながらのメリーゴーランドもあり、ホットワインを飲んで温まったり、サンタさんに願い事を耳打ちしたりすることもできます。元老院広場とマーケット広場の間にあるTorikorttelit(トリコルッテリト)地区にもたくさんの素晴らしいショップやレストランがあります。

クリスマスサウナ
クリスマスサウナはフィンランドに深く根付いている伝統で、クリスマスイブのお祝いの前にリラックスして心身を清めるというものです。フィンランドにはサウナにまつわる民間信仰がたくさんあり、たとえばサウナにバケツ一杯の水と白樺のヴィヒタ、一杯のビールを置いておくとサウナエルフが現れると言われています。今日、クリスマスサウナはクリスマスイブに家族で楽しむだけではなく、プレクリスマスシーズンに友達と楽しむこともあります。
公共のサウナはヘルシンキ中にあります。例えばカッリオ地区にあるKotiharju Sauna (コティハルユサウナ)では、本格的にレトロな雰囲気が楽しめます。サウナの後にサンドイッチとビールが楽しめるようにおやつ持参で行きましょう。Löyly(ロウリュ)デザインサウナやKulttuurisauna(クルットゥーリサウナ)カルチャーサウナ、裸でも泳げるYrjönkatu Swimming Hall(ウルヨンカトゥ・スイミングホール)でも本格的なサウナ体験ができます。Uusi Sauna (ウーシサウナ)は、公共のサウナとレストランを兼ね備えたモダンなサウナです。

独立記念日
12月6日のフィンランドの独立記念日には、数々の特別なイベントやコンサートが開催されます。松明を持った学生の行進や、大統領官邸での独立記念日レセプションなどもあります。フィンランドでは、フィンランド大統領と伴侶が、レセプションで要人や名誉ある来賓と握手を交わす様子をテレビで観るのが慣習となっています。この生中継は実際、1年で一番視聴される番組です!
ルチアのパレード
12月13日のルチア祭では、聖ルチアがキャンドルで暗闇に光をもたらします。毎年選ばれるルチアの戴冠はヘルシンキ大聖堂で行われます。この雰囲気を楽しみたいなら、新しく選ばれたルチアとクリスマスの妖精や馬、ヴィンテージカーなどが観られる戴冠式後のパレードがおすすめです。

クリスマスの小道とコンサート
セウラサーリのクリスマスの小道は、無料のファミリーイベントで昔のクリスマスの慣習やお祝いなどが楽しめます。毎年クリスマスの小道には15000人ほどの子どもと大人が訪れて、セウラサーリ島ののんびりした雰囲気を楽しんでいます。新型コロナウイルス (COVID-19)により2021年にセウラサーリのクリスマスの小道はバーチャルになります。同じようなクリスマスの小道はスオメンリンナやヴオサーリにも登場します。
ヘルシンキの教会やコンサートホールでは、様々なクリスマスコンサートが開催されます。最も美しいクリスマスキャロル (Kauneimmat joululaulut)は、街のあちこちの教会で行われるコンサートシリーズです。スター歌手 (Tiernapojat) のパフォーマンスは、スオメンリンナを含めいろいろな場所で見ることができます。
Stockmann(ストックマン)のクリスマスウィンドウディスプレイ
街の中心にあるStockmann(ストックマン)デパートのディテールにこだわったクリスマスウィンドウディスプレイは、道行く人々を楽しませます。巧みにデザインされて作られたウィンドウディスプレイは、大人も子どもも楽しめます。毎年異なるテーマのディスプレイは、クリスマスを待ち望むワクワクした気分やプレゼントをあげたりもらったりする喜びを表現しています。この素晴らしいウィンドウディスプレイは、Aleksanterinkatu(アレクサンテリンカトゥ)とMikonkatu(ミコンカトゥ)の角にあります。
クリスマスのごちそう
11月の終わりごろになると、多くのレストランで伝統的なフィンランドのクリスマスのごちそう、塩漬けハムやニシン、ロソリサラダなどがメニューに並びます。伝統的なものもトレンドに合わせて今風にアレンジしたものも 、おいしいクリスマスメニューは、お店によっては秋にはすでに食べられるところもあります。
フィンランドではクリスマスの朝、クリスマスポリッジ(ミルク粥)を食べる慣習があります。丁寧に調理されたライスポリッジは、今でもクリスマスの朝食の定番ですが、ハカニエミマーケット広場のKahvisiskot(カハヴィシスコト)のテントで1年中食べられます。おいしいフィンランドのポリッジを出す地元のカフェもたくさんあります。

クリスマスのやすらぎ
クリスマスになるとフィンランドの首都の喧噪はすっかり落ち着きます。クリスマスイブは、家族と一緒にお祝いします。サウナ、伝統的なクリスマスの食事、ゲームやクリスマスの音楽を楽しむのが典型的なクリスマスの過ごし方です。夜になるとサンタクロースがやってきたり、プレゼントを交換したりします。クリスマスイブには多くの家族がお墓参りをしたり、教会に行ったりします。最近では、クリスマスになると街に誰もいなくなってすっかり静かになるということはなくなってきました。クリスマスにはほとんどのお店が閉まりますが、シーズンを通して提供されるサービスもたくさんあります。
クリスマスイベントに関する詳細は、イベントカレンダーでご確認ください。